腎移植Q&A

最近の腎移植の成績はどうですか

最近、腎移植の成績はめざましく向上したと聞きますが?

その通りです。2000年以降に行われた生体腎移植で、移植された腎臓が5年間ちゃんと機能している方の割合(生着率)は90%以上で、すばらしい成績です。
最近、腎移植を受ける方の高齢化が進んでいますが、それをものともせずに腎臓の寿命は伸びています。

何故そんなによくなったのですか? また、これは世界的傾向ですか?

ひとえに、拒絶反応を防ぐいくつかの優れた薬が登場したおかげです。それに加えて、副作用をおこさない上手な使い方も分かってきました。
世界に目を向けると成績は確かに伸びていますが、日本の方が欧米より数段上まわっています。移植後のケアがきめ細かいためと考えられます。日本の透析の成績が欧米よりはるかに良いのと同じ理由です。

もらった腎臓はおおよそ何年ぐらいもつのですか? また、献腎でも生体腎と同じように長持ちしますか?

世界では、最長で30年をはるかに超えています。日本でも、長い方はもう30年を超えています。何も起こらなければ理論上、天寿を全うするまで腎臓は長持ちします。現実には拒絶反応や腎炎の再発で移植腎がダメになる方もおられますが、10年前に移植を受けられた方々でみると、ほぼ3分の2近くの方の腎臓が働いています。治療法の進んだ昨今、移植手術を受けた方ではもっと良くなり、半数ぐらいの方が20年以上長持ちしそうな勢いです。
献腎は生体腎より若干悪条件です(府下の成績)。しかし若年者からの提供では、15年前に移植した腎臓の85%がまだ元気で、いただく腎臓の良し悪しにもよります。

血縁者の提供でも、親と兄弟で腎臓のもち方に差がありますか? 夫婦間ではどうでしょう?

組織適合性(HLA)がぴったり合った兄弟間(1/4の確率でおられます)が最も成績が良いですが、それ以外の兄弟、親子、夫婦間では生着率に差はありません。

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